my story
小西川かおり
刺繍は、幼いころからわたしの人生に寄り添ってきました。
母が手作りしてくれた洋服には、豊かで美しい刺繍がほどこされていて、それらを身にまとって育った記憶は、今のわたしの道を静かに形づくってくれた大切な原点です。
パリへ移る前は、東京で会社員として働きながら、趣味として刺繍を楽しんでいました。
そして2016年、フランスへの移住をきっかけに、このアートに本格的に向き合う決意をしました。
パリのÉcole Lesage(エコール・ルサージュ)にて、レベル1から8までの全課程を修了。
2018年から2024年までは、パリの歴史ある手芸店ULTRAMOD(ウルトラモッド)に勤務しながら、自身の作品づくりを続けてきました。
2024年からは、刺繍作家として独立し、創作活動に専念しています。
わたしの刺繍は、直感的で自由なスタイルです。
糸やビーズ、時には意外な素材を使いながら、自然からインスピレーションを受け、詩のような言葉を織り交ぜて表現しています。
旅や出会い、記憶、映画や音楽、そして心から愛する自然――
わたしの創作の源は、人生のあらゆる瞬間にあります。
作品を通して、わたしは物語を紡いでいます。
それは、わたしの人格と表現を形づくってきた、さまざまな文化的な影響に育まれた「純粋なストーリーテリング」です。
一つひとつの作品に、心を込めています。
もしわたしの刺繍が、誰かにあたたかさや、ときめき、やさしい静けさを届けられるなら、それがわたしにとっての何よりの喜びです。
ほんのひとときでも、誰かの心にそっと光を灯せたら――
そんな願いを込めて、今日も刺繍を続けています。
アトリエはパリにあります。